親子だけで抱えていた日々に、話せる場所ができた

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前回は、ぴーたんが学校で感じていた寂しさを知った、忘れられない夜のことを書きました。

ずっとそばで見ていたつもりでも、私には見えていなかったぴーたんの時間や気持ちがありました。

あの言葉を聞いてから、私自身も少し元気をなくしていました。

そしてこの頃、これまで親子で抱えてきたことを、初めて第三者に話してみようと思うようになります。

今回は、そんな私たちに「話せる場所」ができるまでのことを書いてみたいと思います。

私も、少し元気をなくしていました

ぴーたんが学校で感じていた寂しさを知ってから、
私も少し元気をなくしていました。

それまでも、
不安になったり、
落ち込んだりすることは何度もありました。

それでも、

「何かできることがあるかもしれない」

「少しでも良くなる方法があるかもしれない」

そう思いながら、
そのときの私にできることを探して、
ずっと動いてきたように思います。

でもこの頃は、
なんだかただただ、
つらくなってしまいました。

ぴーたんが学校でどんな思いをしていたのか。

これからどうなっていくのか。

いろいろなことを考えると、
やるせない気持ちになりました。

自分のことなら、
自分で考えて、
自分で動いて、
何とかすることもできるかもしれない。

でも、子どものことはそうはいきません。

どんなに心配しても、
どんなに代わってあげたいと思っても、
親が子どもの状況をすべて変えてあげることはできない。

そのことが、ただただ苦しかったのだと思います。

わかっていても、冷静ではいられない

その頃の私は、
心理学やカウンセリング、
セッションについて学んでいました。

だから、頭ではわかっていることもありました。

人の気持ちは簡単に変えられるものではないこと。

無理に答えを出そうとしなくてもいいこと。

話すことや、
誰かに話を聞いてもらうことが、
心を整理する助けになること。

でも、実際に自分の身に起きてみると、
いつも冷静でいられるわけではありませんでした。

ましてや、
自分のことではなく、
大切な子どものこと。

頭ではわかっていても、
気持ちがついていかないこともありました。

第三者に相談してみよう

それまでも、
どこかに相談してみようか…
と思ったことはありました。

同じような状況の人たちが集まるコミュニティに
参加してみようかと考えたこともありました。

でも、それまでは
あえて参加せずにいました。

そんな私が、この頃になって初めて、

「一度、第三者の人に相談してみよう」

と思いました。

学校にもカウンセリングを受けられる場所はありました。

でも私が探したかったのは、
学校や先生とは少し離れたところにいる人でした。

学校とのしがらみのない第三者の大人に、
ぴーたんが自分のことを話せる場所があったらいいのではないか。

そう思ってインターネットで調べ、
不登校の子どものカウンセリングをしているところを見つけました。

最初は、私ひとりで

初めて相談に行った日は、
ぴーたんは連れて行かず、
私ひとりで行きました。

担当してくださった方は、
とても穏やかな方でした。

ぴーたんが朝起きられなくなった頃から、
それまでにあったこと。

体調のこと。

学校のこと。

私がどんなふうにぴーたんと接してきたのか。

そして、今どんな気持ちでいるのか。

いろいろなことを話しました。

話しているうちに、
涙が出てきました。

それまでずっと、
ぴーたんのことを何とかしたいと思いながら、
私なりに動いてきました。

でもその日は、
今まで自分の中に抱えていたことを、
泣きながら話していました。

担当の方は、
大げさに励ますわけでも、
何か答えを急いで出そうとするわけでもなく、
ただ優しく、
静かに話を聞いてくださいました。

そして、

「本人がここに来るのは、
最初はなかなかハードルが高いかもしれませんね。
少しずつやっていきましょう」

そんなふうに言ってくださいました。

その落ち着いた雰囲気に、
私も少し安心したのを覚えています。

ただ、誰かに話すこと

今振り返ると、

あのときの私は、

何か特別な答えが欲しかったというよりも、

ただ誰かに話を聞いてもらうことが
必要だったのかもしれません。

自分の中に抱えているものを
言葉にしてみる。

それを誰かに聞いてもらう。

それだけでも、
自分の気持ちが少しずつ見えてくることがあります。

心理学やカウンセリングを学ぶ中で、
そういうことも知っていたはずなのに、
自分自身が話す側になってみて、
改めて感じるものがありました。

今度は、ぴーたんも一緒に

次からは、
ぴーたんも一緒に行ってみることになりました。

とはいえ、
ぴーたん自身は
最初から乗り気だったわけではありません。

初めて行ったときは警戒もしていたのか、
あまり口数も多くなかったと思います。

知らない大人に、
自分のことを話すのです。

それも無理のないことだったと思います。

担当の方も、
無理に学校のことを
聞き出そうとはしませんでした。

ぴーたんの好きなことや
興味のあることなど、
話しやすいところから
話題を広げてくださいました。

ときには、
心理テストのような、
心の状態を知るための検査をすることもありました。

そんなふうに何度か通ううちに、
ぴーたんも少しずつ
その場所と担当の方に慣れていきました。

少しずつ、話せるようになっていった

カウンセリングには、
その後、月に一度くらいのペースで
通うようになりました。

1回のカウンセリングでは、
最初に私が20分ほど話し、
そのあとぴーたんが1人で1時間弱ほど話し、
最後にまた私が15分ほど話す。

だいたいそんな流れでした。

私も、ぴーたんの最近の様子だけではなく
自分がぴーたんにどんなふうに接しているのか。
自分自身がどんな気持ちでいるのか。

そんなことも話していました。

ぴーたんも、
何度か通ううちに、
自分のことや学校でのことを
少しずつ話せるようになっていきました。

担当の方は、
いつも無理に聞き出そうとはしませんでした。

ぴーたんが話せることから話す。

話したくないことを、
無理に話させない。

その距離感が、
ぴーたんには合っていたのだと思います。

少しずつ、

「ここなら話しても大丈夫」

と思える場所になっていったのかもしれません。

親子の外に、話せる場所ができた

カウンセリングに通い始めたからといって、
何かが急に変わったわけではありません。

ぴーたんの体調がすぐに良くなったわけでも、
学校での状況がすぐに変わったわけでも
ありませんでした。

それでも、
それまでとは少し違うことがありました。

ぴーたんには、
家庭でも学校でもない場所で
話せる人ができました。

そして私にも、
自分の気持ちを話せる場所ができました。

子どものことを心配していると、

「私が何とかしなくては…」

と思ってしまうことがあります。

私もずっと、、
そうだったのだと思います。

でも、親だけでは
どうにもできないこともあります。

そんなとき、
自分たちだけで抱えずに、
誰かに話してみる。

ただ話を聞いてもらう。

それだけでも、
少し心の中が整理されることがあるのだと、
このときの私は感じていました。

すぐに答えが見つからなくても、
すぐに何かが変わらなくても。

親子の外に、
安心して話せる場所がある。

あの頃の私たちには、
そんな場所が必要だったのかもしれません。

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